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The Recommendation from 寅壱 #12 大蔵 一魁

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時おりSNSでのポートレートに作品を提供いただいている大蔵 一魁氏は写真家と理容店(バーバー)のオーナーの2つの顔を持つ。だが、大蔵氏によれば、この2つの業種は非常に密接な関係にあると言う。また、大分県玖珠町からの発信にこだわる点にも注目をしたい。
そんな大蔵氏はまだ20代前半。今回は、そんな大蔵氏にインタビューを試みてみた。

(インタビュワー) 寅壱とは3年くらい前にコミコンでのTORAYAGI での撮影からのお付き合いかと。 写真の他に別にもう一つ仕事を持っていると聞きました。

(大蔵一魁)美容室兼バーバーもやっています。

写真家としての活動とどっちが主だったんですか?

理容(&美容)とカメラのどっちも一緒にやって。自分的には50% & 50%くらい。

当時はオカモトレイジ君に紹介してもらって、「めちゃめちゃ面白いやつがいるから!」ってすごい推していました。 大蔵くんじゃないとダメっていうか、そんなテンションで最初話してくれて。

ありがたい話です(笑)

ではちょっと寅壱の撮影の当時を振り返りましょう。あの撮影はちょっと面白かったですよね。 なんかほんとセッションって感じで。

ほんと自由な感じでしたよね。モデルの人もいきなりなんか歌ってましたからね(笑)

ロケーションも思いっきりセッションだったですよね。当時集合場所だった目黒の某スタジオの裏とか、工事現場の前とか、市街地とか、縁日とか。

そうです、そうです。もう本当にあの付近ですね。300メートル圏内ぐらいで、なんかいいなーと思ったら即撮影でしたね。 結構その時のノリが良くて、いい感じで終わりました。

ちなみにキービジュアルで使った写真は結構気にいっています。

ありがとうございます。 ちなみに普段は、自分のお客さんだったりとかを地元の大分のロケーションでで撮影してたりとかしてます。

インスタグラムでよく見かけるやつかな?

あ、そうです。
2つアカウント回していて、自分の商業的なやつと個人的なカメラのアカウントの両方出しています。

面白いよね。場所が大分っていうのも面白いよね。ちなみに大分出身なんですか?

はい、大分出身で、玖珠町ってとこでお店出してます。 中学校までは中津で、中学校から二十歳まで宇佐にいて、二十歳からは玖珠町に移りました。

しだいに山奥に移動してる感じですね。

今まで住んでいた場所の友達とか、モデルとか、ここ(玖珠町)にいる人とか中心で一つのコミュニティができてるって感じです。

ちなみに理容でできたコミュニティってことは男性比率高そうですね?

男性100%です(笑)近隣足して、人口1万人くらいの人口規模なんですが、やっぱり田舎中の田舎ですね(笑)

でも写真はめちゃめちゃかっこいい子たち多いから、ちょっとびっくりしました。 そもそもなのだけど、なぜ写真撮りたいと思ったの?

これ結構長いんですけど、さっき理容と半々と言ったんですけど、自分が初めて美容の方に行ったのが、ABC(アジアビューティコングレス)っていう結構大きなコンテストがきっかけでした。 ファッションと髪型と写真っていう組み合わせがやっぱり切っても切れない関係だなって感じて。それで結局理容の方に行ったんですけど、写真はそれのアウトプットで考えてたんで、ハナっから写真はもうセットでした。 なんで、自分が髪の毛とファッションと写真っていう組み合わせを自然にずっとやってる感じです。

なるほど。同時だからハイブリッドなんですね。
じゃあ大分ってところにまたちょっとフォーカスするんだけど、やっぱりこの東京じゃなくてやっぱりこう、大分から発信するとかっていうところには何かこだわりあるのかな?

結構、自分的にロマンを感じてて、何もないところから逆に作り出していくっていうのは僕好きなんです。 それこそ何も影響されてなくて自分が影響を与えていきたいっていうところにロマン感じてて。 僕だからこそ何もないところで作り出していくっていう、それが「大分から作ってる」っていう感覚なんです。

でも基本あれだよね、それを自分が考えたとしてさ、それをみんな共感してくれてるところもすごいよね。

そうですね。ちなみに、お店に来る人のお客さんって若い人もいるんですが、結構おじいちゃんもめっちゃ多いです。6割くらいがおじいちゃんが占めてて、200人くらい高校卒業して、地元に残るやつが2人くらいな割合なんですが。

そんな中で自分がしたいのは、都会じゃないとカルチャーっていうのを感じれないんじゃないのか?ってのに反発したくて、自分の身の回りのカルチャーをもっと増やしていこうって。

大分のローカルカルチャーって具体的にはどういうことなんですか?

地元愛みたいな感じなんですけど、ヤンキーチックな感じだったりとか。 ヤンキーはヤンキーでも、暴走族とかっていうようなヤンキーというかは、パンク的な感じがしますね。
あーでもそれだけじゃないですね。結構多種多様な気がします。やってて気づいたんですけどバーバーってそういう多様性を吸収してくれる大らかさがある拠点な気がします。

バーバーをそういう拠点にするってね、アメリカのイメージ強いけですよね。 スピークイージー的なものもあるし。

上手くいえないかもなんですけど、コミュニティの箱はバーバーのお店だけど、それがカルチャーっぽいものたる理由は「僕」かなって思います。 すごく偉そうなんですけど、自分がカルチャーって言うよりかは、結局、自分に対する共感も大事で、ここから発信できるのかなってちょっと確信しています。

私もそんな気がします。過疎が進んでいるからこそ共感ありきだとは思いますが、身近さは大事かなと思います。

すいません、上手く言えていなくて。

そんなことないですよ。 ちなみに、これの延長になるのかな。 これからやっていきたいことってありますか?

やっていきたいことは…えっと…でも、ホントこういう感じで、大分のロケーションとか、自然のロケーションとかを使って欲しくて。
要は、東京からでも大阪からでも、こっち側(大分)に仕事持ってきて、こっち側で任されたいっていうのが理想です。 なんなら、カメラと美容とかすべてトータルで。 ヘアメイク含めて、全てをこっち側でできるようなぐらいにしたいなとは思います。 要は、ファッションを中心にしたいんですけど、自然とファッションを両立させる、そういうロケーションの撮影が好きだったら、僕に任せてくれっていうぐらいに。

では最近やろうとしているプロジェクトはあるのですか?

最近やろうとしているプロジェクトは、セレクショップさんの服を着て、玖珠町のロケーションで髪の毛を切ってる動画を撮影します。 もろにさっき言った感じなんですが、それが服とヘアーとトータルで自分が思うかっこいい映像を撮ってます。

この前、SNS用に寅壱で撮影を頼んだのもあるけど、質感だったり、田舎を感じさせない独特な写真を出してもらったよね。特に田んぼのやつはよかったです。

あれはそれこそ、黄金の国ジパングっていうかんじすかね(笑)

一魁くんらしいと言うか、大分にいるってところが面白いってことだよね。

ありがとうございます。

寅壱のポートレートでの展示も楽しみにしています。
本日はありがとうございました。

大蔵 一魁
理容士 & 写真家。
大分県玖珠町を拠点に活動をしている。
写真作品における構図や色彩センスは群を抜いており、寅壱でも今後の活躍を期待している写真家の一人である。