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寅壱 | Toraichi Concept

The Recommendation from 寅壱 #3 “TRADMAN’S BONSAI”

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ストリートファッションと日本伝統工芸の邂逅。最近、大手セレクトショップのディスプレイに本格的な「盆栽」を見かけることが多くなった。盆栽は、中国より伝来以降、数百年の歴史を経て、日本の伝統工芸としても成長をしたカルチャーだ。その盆栽の佇まいは、どんな空間をも一変させる不思議な魅力がある。


今回は盆栽職人を経て、空間プロデュースを手がけるTRADMAN’S BONSAIの小島鉄平氏(株式会社松葉屋 代表取締役)をご紹介したい。

小島氏と盆栽の出会いはかれこれ10数年前に至る。かつてセレクトショップを経営していた小島氏は、買い付けのためにアメリカに渡米。そこで見かけたいわゆる「BONSAI」に少し違和感を感じていたそうだ。「あれ?自分の知っている盆栽と全然違う。日本の盆栽は、もっとすごいのに。」と。その後、帰国をし、渡米時に感じた違和感に従うまま、盆栽職人を目指すことになった。

一般的に一人前の盆栽職人として認められるためには、師匠に5年学び、さらに1年の間師匠の付き人として従事することにより、ようやく「一人前」と認められる。だが、小島氏が盆栽職人を目指し数年の月日が経過した時、より実戦的に技術と実績を向上させるため、小島氏は当時の職人仲間数人とともに中国の上海に活動拠点を移した。

中国では、検疫の問題もあり、日本の盆栽を中国に持ち込むことは非常に手間のかかる作業だった。故に現地で素材を調達し、自分達が作った作品を中国国内で販売をした。
そして中国で実績を積んだ後に、日本に帰国。その頃には技術に磨きをかけ、既に一人前の「盆栽職人」となっていた。

帰国後、クリエイティブの祭典として注目を浴びている「ROOMS」に出展。各方面の注目を受け、亀山アワード賞を受賞。ここから次第にアパレルショップでの盆栽展示のプロデュースを仕事として引き受けることとなった。

事業としての「盆栽」

国内での評価がある程度高まった後、販売を行いながらも、「本格的な盆栽をリーズナブルに楽しんでもらう」というミッションのため「リース」としての事業を幅広く展開をすることとなる。
この取り組みは功を奏し、モノによっては数千万か数億する盆栽を、スピーディーに「レンタル」として動かし、より多くの店舗やブランドとの契約が始まった。

そしてレンタルで貸し出している盆栽は、レンタルがオフの期間は自らが手を入れ、より良い物へと進化をする。
…余談だが、盆栽は、一度作ったら終わりというわけでなく、物によっては人から人へ、数十年の時を経て継がれている。つまり常に、手入れと革新が必要なのが盆栽という作品なのだ。

従来もあった盆栽のリースを、ファッションの拠点の一つであるセレクトショップに落とし込むことにより、事業としての可能性も広がりつつ、結果的にファッションとの交流が生まれることとなった。いわば職人自らが盆栽というカルチャーをプロデュースすることになったということだ。

伝統とは革新の連続である

盆栽自体は、既に日本らしさの表現として海外から高評価を受け、多くのコレクターが来日して購入をしている。そうしたコレクターは欧米、そしてアラビア諸国にも多く存在し、特にアラビアのVIPは自家用ジェットに乗り付けて買い付けに来日をする。

そして中国。
中国では元々が縁起物として人気があるのもあり、多くの富裕層が買い付けに来る。多くの日本人が気付いていないのだが、盆栽は日本のカルチャーとして大きく評価されているものの一つなのだ。

近しいところでは、2Gでも実現をした「アート」と「ストリートファッション」の共演。これとも多くの共通点を持つ「伝統工芸」と「ストリートファッション」共演は、寅壱としても「伝統工芸作業着」と「ストリートファッション」のありように大きな変化があるのでは?と期待を抱いている。

今後、小島氏は主務として盆栽職人の傍らプロデュース業に重きを置くと言う。理由は「自分は駆け足で駆け上がるために、本来かけるべき時間をショートカットしてきました。なんで自分より技術面で優れた職人は数多くいます。僕が出来る事は、盆栽という文化を革新させつつ、先駆者へのリスペクトを保ち続けることでしょうか。僕を活かしてくれた盆栽というカルチャーに恩返しをしたいのです。」との事だ。

もしかしたら、今後は小島氏による偉大な職人とストリートカルチャーの邂逅というものにも期待ができるのかもしれない。

TRADMAN’S BONSAI

鯉口シャツ(2018年モデル)

乗馬パンツ(2530)